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2019年 人気脆弱性 TOP 10 in GitHub

はじめに

 2019年も終わりに近づいているので、2019年に公表されたCVEが採番されている脆弱性の中から人気なものをGitHubから検索しTOP 10を決めていきます。

検索結果のリポジトリについては下記のリポジトリで管理されています。
github.com

TOP 10

 TOP 10の算出方法としては、「リポジトリの数」と「それらのリポジトリのスターの数」を使用しています。
リポジトリ毎に10ポイント、スター毎に1ポイント 加算される形式で算出しています。
 ※各脆弱性のタイトルはJVNから引用しています。

10位 501 ポイント『Pulse Secure Pulse Connect Secure におけるパーミッションに関する脆弱性(CVE-2019-11510)』

jp.tenable.com

攻撃者はユーザー名とプレーンテキストパスワードを取得するためにCVE-2019-11510を使用して脆弱性のあるシステムを探し出しています。

とある通り、任意のファイルが取得できる脆弱性となっています。

Twitter社にも該当する脆弱性があったようですね。 Twitterも影響を受けたSSL VPN製品の脆弱性についてまとめてみた - piyolog

こちらの脆弱性はBlack Hat 2019でも触れられていた脆弱性でした。 https://i.blackhat.com/USA-19/Wednesday/us-19-Tsai-Infiltrating-Corporate-Intranet-Like-NSA.pdf

人気リポジトリ
GitHub - projectzeroindia/CVE-2019-11510: Exploit for Arbitrary File Read on Pulse Secure SSL VPN (CVE-2019-11510)

9位 522 ポイント『Canonical snapd における入力確認に関する脆弱性(CVE-2019-7304)』

ameblo.jp

人気リポジトリ
GitHub - initstring/dirty_sock: Linux privilege escalation exploit via snapd (CVE-2019-7304)

8位 545 ポイント『Firefox および Thunderbird における入力確認に関する脆弱性(CVE-2019-11708)』

github.com

7位 572 ポイント『Android 用 ES File Explorer File Manager アプリケーションにおける入力確認に関する脆弱性(CVE-2019-6447)』

脆弱性の詳細
medium.com

人気リポジトリ
GitHub - fs0c131y/ESFileExplorerOpenPortVuln: ES File Explorer Open Port Vulnerability - CVE-2019-6447

6位 629 ポイント『Espressif ESP-IDF および ESP8266_NONOS_SDK における入力確認に関する脆弱性(CVE-2019-12586)』

matheus-garbelini.github.io

ESP-IDF is the official development framework for the ESP32 chip.

 ESPデバイス上で動作するプログラムを書く際に用いられるフレームワーク(ESP-IDF)で見つかった脆弱性っぽいですね。
 攻撃者の無線範囲内のESPデバイスをクラッシュさせることが可能な脆弱性らしいです。
 珍しくハードウェアによりな脆弱性がランクインしました。

ESP-IDFのドキュメント
ESP-IDF Programming Guide - ESP32 - — ESP-IDF Programming Guide latest documentation

人気リポジトリ
GitHub - Matheus-Garbelini/esp32_esp8266_attacks: Proof of Concept of ESP32/8266 Wi-Fi vulnerabilties (CVE-2019-12586, CVE-2019-12587, CVE-2019-12588)

5位 704 ポイント『Oracle Fusion Middleware の Oracle WebLogic Server における WLS Core Components に関する脆弱性(CVE-2019-2618)』

 攻撃するために認証情報(メールアドレス & パスワード)は必要であり、任意のファイルがアップロードをすることが可能です。
さらに、スクリプトを記述したファイルをアップロードすることで任意のコマンドが実行可能です。

github.com

人気リポジトリ
GitHub - dr0op/WeblogicScan: 增强版WeblogicScan、检测结果更精确、插件化、添加CVE-2019-2618,CVE-2019-2729检测,Python3支持

4位 785 ポイント『Docker および runc におけるコンテナエラーの脆弱性(CVE-2019-5736)』

 悪意あるコンテナを実行することで、ホスト上でroot権限でコマンドが実行される可能性がある脆弱性です。
普段からDocker Hub等の外部からコンテナイメージを利用する方は今使っているバージョンに気を付けたほうがいいでしょう。

security.sios.com

人気リポジトリ
GitHub - Frichetten/CVE-2019-5736-PoC: PoC for CVE-2019-5736

3位 935 ポイント『Oracle Fusion Middleware の Oracle WebLogic Server における Web Services に関する脆弱性(CVE-2019-2725)』

 認証不要で任意のコマンドが実行できるという脆弱性です。
攻撃通信は観測されており警視庁が注意喚起のレポートを公開するほど目立っているようです。

www.ipa.go.jp

警視庁が出したレポート
リモートデスクトップサービスを標的としたアクセスの増加等について | 警察庁 @police

攻撃通信が既に観測されており、その通信の詳細内容。 Oracle WebLogic Serverの脆弱性(CVE-2019-2725)を狙う攻撃の観測 – wizSafe Security Signal -安心・安全への道標- IIJ

人気リポジトリ
GitHub - lufeirider/CVE-2019-2725: CVE-2019-2725 命令回显

2位 1868 ポイント『PHP における境界外書き込みに関する脆弱性(CVE-2019-11043)』

www.intellilink.co.jp

 実際に攻撃に悪用されており、既に攻撃通信が観測されているとのことです。
【セキュリティ ニュース】PHP脆弱性狙うランサム攻撃「NextCry」が発生(1ページ目 / 全2ページ):Security NEXT

人気リポジトリ
GitHub - neex/phuip-fpizdam: Exploit for CVE-2019-11043

1位 5413 ポイント『複数の Microsoft Windows 製品のリモートデスクトップ サービスにおけるリモートでコードを実行される脆弱性(CVE-2019-0708 通称「BlueKeep」)』

  1位はダントツの「BlueKeep」でした。
Windowsのセキュリティに詳しくない私でも名前ぐらいは知っているほどです。Wikipediaのページも作成されているようでした(ロゴも存在している!!)。

blog.trendmicro.co.jp

Wikipediaのページ BlueKeep - Wikipedia

人気リポジトリ
https://github.com/zerosum0x0/CVE-2019-0708

TOP 10 一覧

スコア CVE ID リポ数 スター合計
1位 5413 CVE-2019-0708 / BlueKeep 111 4303
2位 1868 CVE-2019-11043 / PHP-FPM 16 1708
3位 935 CVE-2019-2725 / Oracle WebLogic 17 765
4位 785 CVE-2019-5736 / Docker & runc 19 595
5位 704 CVE-2019-2618 / Oracle WebLogic 6 644
6位 629 CVE-2019-12586 / Espressif ESP-IDF 1 619
7位 572 CVE-2019-6447 / ES File Explorer File Manager 1 562
8位 545 CVE-2019-11708 / Firefox & Thunderbird 1 535
9位 522 CVE-2019-7304 / Canonical snapd 2 502
10位 501 CVE-2019-11510 / Pulse Connect Secure(VPN) 9 411

おまけ

リポジトリ数ランキング

 2019年下期に公表された「sudo」「WhatsApp」などの脆弱性がランクインしました。

リポ数 CVE ID 概要(上のTOP 10に入っているものは「-」表記)
111 CVE-2019-0708 -
19 CVE-2019-5736 -
17 CVE-2019-2725 -
16 CVE-2019-11043 -
14 CVE-2019-3396 Atlassian Confluence Server におけるパストラバーサルの脆弱性
11 CVE-2019-14287 Sudo における入力確認に関する脆弱性
10 CVE-2019-11932 WhatsApp および libpl_droidsonroids_gif における二重解放に関する脆弱性
9 CVE-2019-11510 -
9 CVE-2019-10149 Exim における入力確認に関する脆弱性
8 CVE-2019-5418 Action View(Rails) における情報漏えいに関する脆弱性

更新履歴

  • 2019年12月31日 新規作成